- おしらせ
今回の記事テーマは【仙腸関節障害】についてです。
MRIやCT検査で腰には何にも異常がないと言われるが、椅子に座るとすぐに痛くなったり、仰向けに寝れないなど日常の生活動作に支障が出てしまうような腰の痛みに悩んでいらっしゃる方いませんか?
仙腸関節障害は腰痛の一部に分類されていますが、腰痛の原因が仙腸関節由来のものである割合は、約20%といわれています。
仙腸関節の痛みはMRIやCTなどの画像検査で明らかな異常が出ない為、なかなか診断つかないケースが多く、痛みの原因や治療法がわからず、悩んでいる患者様も多いと思います。
今回は、そんな診断のつかない腰痛【仙腸関節障害】についてご紹介したいと思います。
骨盤の骨は寛骨(かんこつ)→腸骨(ちょうこつ)・坐骨(ざこつ)・恥骨(ちこつ)と、仙骨(せんこつ)と尾骨(びこつ)より構成されています。
そのうちの仙骨と左右の腸骨とで形成される関節のことを仙腸関節(せんちょうかんせつ)といいます。
仙腸関節の主な役割は下半身と上半身の間の衝撃を吸収することです。
仙腸関節は、ほんのわずか(約2~3㎜)しか動きませんが、このわずかな動きによって身体にかかった衝撃の吸収します。
仙腸関節は周りに強度の高い靭帯が取り囲むことで構造が安定化されています。
その靭帯のほかに大殿筋や梨状筋などの筋肉が仙腸関節をサポートします。
仙腸関節障害の主な症状は片側の腰から殿部の痛み、下肢痛(お尻から足までの痛み)が多くみられます。
1.長く椅子に座ると痛みが出る
2.寝返り、前屈などの動作開始時に痛みがある
3.仰向けや横向きで寝ると痛みでつらい
4.お尻の筋肉(仙骨周辺)が痛い
5.腰と股関節が両方痛い
などという症状が特徴的です。
腰から殿部、下肢(お尻から足)の症状は、腰椎の疾患(腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアなど)による神経症状(しびれや痛み)と似ているので注意が必要です。
下肢の痛みは一般的に坐骨神経痛と呼ばれますが、仙腸関節の動きが悪くなり周囲の靭帯が刺激されることでも、下肢の痛みを生じることがあります。
①不良姿勢(足組み、横座り)などにより、骨盤のゆがみが生じ骨盤に左右非対称な癖があること
②左右の脚を前後に開いたり腰を大きく捻るなど、骨盤に左右非対称の力が加わること
③仙腸関節の動的安定化機構の破綻(筋肉、筋膜の緊張によって骨盤の安定化が低下すること)
動的安定化とは?
仙腸関節の周囲にある多裂筋、大殿筋、胸腰筋膜、梨状筋、骨盤底筋群と腹横筋の緊張が合わさって骨盤(仙腸関節)の安定が得られます。
しかし、それぞれの筋肉、筋膜の機能不全によって骨盤に左右非対称な力が加わり仙腸関節障害が起こります。
また女性は、出産に際して仙腸関節の周りにある靭帯が緩み産道を拡げますが、出産後も靭帯が緩んだままになってしまい、仙腸関節障害を引き起こすことがあるといわれています。
【てあつい】グループでの仙腸関節障害の治療は、筋肉の硬さや痛みを【手技療法】や【鍼灸(しんきゅう)治療】、【ハイボルト療法】で改善します。
また、骨盤のゆがみを【骨格矯正】で根本的に姿勢から改善します。加齢や出産、不良姿勢で低下している深層筋【インナーマッスル】を強化するトレーニングなど
患者様の症状に合わせて様々な角度からご提案させていただきます!
ご自身でできる対策(セルフケア)は、骨盤周囲筋のストレッチや筋力トレーニングで仙腸関節にかかるストレスの緩和を行っていきます。
大殿筋、広背筋、梨状筋などのストレッチ、腹横筋のエクササイズ(ドローイン)などがあります。