- おしらせ
走ったり、ジャンプをするなどのスポーツ、運動をすると、膝に力が加わり続け、靭帯や腱の組織が損傷したり炎症を起こして、膝に痛みなどの障害を引き起こす場合があります。
これは、いわゆるスポーツ障害の一種で「膝の慢性障害」です。
これは、運動による膝の使い過ぎが原因であり、スポーツによる「使い過ぎ症候群」とも言われています。
そこで今回は、膝の使い過ぎにより発症するスポーツ障害のうち「膝の慢性障害」とその症状について、詳しく解説します。
靭帯や腱が骨に停止するところでは、筋肉のはたらきによるストレスが集中しやすく、組織の小さな損傷が生じます(①②③)。
また、靭帯が骨のすぐ上を通るところでは、膝の曲げ伸ばしによって靭帯と骨の摩擦が生じて炎症の原因になります(④)。
① 大腿四頭筋腱付着部炎(ジャンパー膝)
② 膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
③ 鵞足炎
④ 腸脛靭帯炎(ランナー膝)
原因としては、筋力不足、筋力のアンバランス、骨の成長と筋の伸びとのアンバランス、からだの柔軟性不足、アライメント不良などが挙げられ、練習や環境の問題としては、オーバートレーニング、選手の体力や技術に合わない練習、不適切な靴、硬すぎたり軟らかすぎる練習場などが挙げられます。
大腿四頭筋腱付着部炎は、膝の関節の外側が炎症することで症状が出ますが、バレーボールやバスケットボールなどのジャンプ動作やサッカーボールを蹴る動作、ジョギングなどの走る動作を繰り返したことにより発症します。
膝蓋腱炎は、膝蓋骨という通称「膝の皿」と言われる部分の下部からすぐ下の靭帯にかけて痛みが出るもので、バレーボールやバスケットボールなどのジャンプ動作を繰り返すと発症しやすくなります。
ジャンパー膝とは、バスケットボールやバレーボールなどジャンプを繰り返す競技の選手に多い膝の故障です。
運動による疲労により大腿四頭筋(ももの前面の筋)の柔軟性が低下することが要因の一つに上げられます。
特に成長期では骨の伸長に筋肉の成長が追いつかず相対的に筋肉が短くなるために起こりやすいので注意が必要です。
運動を始めた直後に膝のお皿(膝蓋骨)のすぐ下、人によってはすぐ上の腱が炎症を起こし痛みが発生します。
ウォーミングアップをしているうちに痛みは薄れますが、スポーツの最中や運動後に再度痛みが出たり、またジャンプ動作やランニング動作での踏み込み動作時に痛みが発生することがあります。
稀に腫れたり、熱をもったりしますが、これは数時間から数日で改善することがほとんどです。
状況が悪化すると腱の炎症だけでなく、腱の一部が切れたり、壊死に至り慢性化する場合があるので早期に治療する事が大切です。
鵞足炎の「鵞足」とは、ひざを曲げる筋肉や腱が付着する骨の部位をさしますが、ランニング動作などの、足を後ろに蹴り出す動作を繰り返したり、急に方向転換をする動きを繰り返すことで、鵞足がすれて炎症し痛みが出るようになります。
鵞足を構成する筋肉は3つあります。
1.縫工筋
2.薄筋
3.半腱様筋
3つの筋肉の腱で構成されております。
それぞれ筋の起始するところは違いますが停止部は同じ(鵞足部)のため負荷がかかりやすく痛みが起こりやすい。
症状
・歩くと膝の内側が痛む
・階段の昇り降りで膝の内側が痛む
・椅子から立ち上がる時に膝の内側が痛む
原因
これは筋肉の柔軟性が無いことや運動時の準備体操不足、運動後のケア不足、過度な運動に問題があります。
縫工筋・薄筋・半腱様筋の柔軟性が無くなり腱と付着部に摩擦が起こり炎症が起こってしまうことで鵞足炎になってしまいます。
腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)とは、主に長時間のランニングなどを行った際に、膝の外側が痛くなってくる疾患です。
腸脛靭帯炎の発症原因は必ずしもランニングに限定されませんが、ランニング動作でよく生じるため、“ランナー膝”とも呼称されます。
腸脛靭帯はおしりの筋肉(大臀筋と大腿筋膜張筋)から始まり、脛骨の前外側にある膨らみに繋がっています。
これらの筋肉は股関節を外転させる作用があり、腸脛靭帯はこの力を脛骨に伝える役割があります。
ランニングの動作では、足を地面につけたときに上半身が傾かないように支える役割をします。
腸脛靭帯炎が生じるメカニズム
腸脛靭帯は大腿骨の外側を通って、脛骨の外側に繋がっています。
膝を伸ばしている時は腸脛靭帯は大腿骨の外側の出っ張り(外側上顆と言います)の前にあるのですが、膝を曲げてゆくと、おおよそ30度屈曲したところで、外側上顆を乗り越え後方に移動します。
このときに腸脛靭帯は大腿骨の外側の出っ張り部分にこすれます。
長距離のランニングでは腸脛靭帯が何度もこすれることによって炎症を引き起こし、膝の外側に痛みが生じます。
腸脛靭帯炎は、大腿骨外側の出っ張り(大腿骨外側上顆)が大きい、股関節外転筋力が弱い、内反膝(O脚ともいいます)、回内足(かかとが外側へ傾く状態)、腸脛靭帯の伸張性が低いなどの特徴があると発症しやすいと言われています。
スポーツによる膝の痛みなどの慢性障害の対処法としては、まず症状が出るのを予防すること、そして、発症してしまった症状を改善することが重要となってきます。
そして、予防をするためには自己対処がとても大切です。
・ストレッチを行う
体の柔軟性を高めるために、運動開始前に十分にストレッチを行ってください。ストレッチを行うことにより、運動前に体の筋を十分伸縮させ筋肉の緊張をほぐすことで、運動による膝への衝撃を和らげることができます。
・アイシングを行う
運動後に、急性炎症を抑えるために、氷や水などで膝を局所的に冷やすアイシングを15分程度行うのも効果的です。
・その他
もしスポーツによる膝の慢性障害を発症してしまったら、無理をしないように休憩を適度にとったり、トレーニングメニューを強度の低いものに変更するなど、まずはご自身で調整しましょう。
症状が重い場合は、リハビリテーションを含む専門知識や技術が必要となる場合があります。
健康を意識する方が増え、運動を継続的に行ったり、趣味で競技スポーツを行う方が年々増加傾向にあります。
適度な運動を体に無理がかからない範囲で行うのは良いですが、過度な運動をしたり、合わない靴を履いての運動などをすることで、気づかないうちに膝に負担をかけ続けていると、スポーツによる膝の慢性障害を発症する確率が高くなります。
また、我慢できる程度の痛みだからと、準備運動のためのストレッチや運動後のケアを怠ったり、トレーニングメニューの調整をしないと、症状が悪化し日常生活に支障が出る場合があります。
スポーツによる膝の慢性障害は症状が進行すると、自然治癒することが難しく手術が必要になることもありますので、無理な運動をせず、日頃のコンディショニングをしっかりと行いつつ、トレーニングをするようにしてください。
【てあつい】グループでのスポーツによる膝の慢性障害の治療は、筋肉の硬さや痛みを【手技療法】や【鍼灸(しんきゅう)治療】、【ハイボルト療法】で改善します。
また、骨盤のゆがみを【骨格矯正】で根本的に姿勢から改善します。加齢や不良姿勢で低下している深層筋【インナーマッスル】を強化するトレーニングなど
患者様の症状に合わせて様々な角度からご提案させていただきます!