ブレシア®(brascia®/商標登録 第6920621号)は、感覚入力・中枢統合・運動出力の循環に基づき状態適応性を評価・更新する独自臨床モデルです。アメリカの脳神経技術とイタリアの筋膜技術を統合した独自メソッド「ブレシア®」を、Emaps株式会社が開発しました。本記事では、継続して施術を受けた方が「凄く楽になった」「毎日段取りよく過ごせるようになった」と、不調の変化と一緒に体の動かしやすさや日々の段取りの変化を語られる現象について、Eccleston & Crombez 1999「痛みの注意中断モデル」を起点に整理します。Emapsグループ3ブランド(リリーフポート・リリーフポートフェミナ・てあつい)の継続症例から、なぜ不調が和らぐと段取りまで変わるのかを解説します。

今回取り上げる3つの継続症例には、不調が軽くなったこと以上に注目したい共通点があります。ご本人の言葉が、痛みや張りのことだけでなく、体を動かすことや毎日の過ごし方について語られていることです。

3症例に共通する現象 ── 不調の変化が “動きと段取り” まで広がった

目の疲労感と首・背中の張りがひどく、日常生活でも痛くて体を動かすのが苦だったO様は、9回の施術を受けて「凄く楽になりました」と話してくださいました。出産をきっかけに首・肩の痛みや腰の重さが続いていたK様は、「毎日段取りよく過ごせるようになりました」と書いてくださいました。右腕が上がりにくく、上げたときに痛みがあったT様は、8回の施術を続けて「今はらくになった」「通院して良かった」とのことです。

三つの症例は、ブランドも主訴も異なります。それでも、変化が「痛む場所」だけにとどまらず、動くことや一日の組み立て方にまで広がっている点は共通していました。

起点となる研究 ── Eccleston & Crombez 1999「痛みの注意中断モデル」

Eccleston C, Crombez G. Pain demands attention: a cognitive-affective model of the interruptive function of pain. Psychological Bulletin. 1999;125(3):356-366.

要約:痛みには、注意をさえぎり、注意を求めるという性質があることを、多くの研究から整理した論文です。痛みがどれだけ注意を引きつけるかは、痛みの脅威の度合いと、そのときに求められている作業や環境との関係で決まるとされます。痛みは、その場から離れることをうながす信号として優先的に選ばれるというモデルを示し、長く続く痛みを「注意が繰り返し途切れる状態」として捉え直す視点を提案しています。

論文を読む(DOI)

この論文が示しているのは、痛みそのものだけでなく、痛みによって注意が何度も途切れることが、暮らしのしづらさにつながるという視点です。不調が続くあいだ、からだは注意の多くを不調の見張りに使っています。そのぶん、考えを組み立てる、順番を決める、気持ちを切り替えるといった働きに回せる余裕が少なくなります。

段階 悪循環(不調が注意を奪い続ける流れ) 回復の循環
からだの信号 痛みや張りが続き、警戒の信号が出続ける 不調が和らぎ、警戒の信号が落ち着く
注意 作業や会話の途中でも、意識が不調へ引き戻される 不調を見張る必要が減り、目の前のことに注意を向けやすくなる
動き 痛まないように動きを控え、体を動かすことが苦になる 楽に動ける経験が増え、動くことへのためらいが減る
暮らし 思うように動けない日が増え、段取りが崩れやすくなる 一日の組み立てに余裕が生まれ、段取りよく過ごしやすくなる

ブレシア®視点 ── 4軸横断で見た “痛みと注意の循環” の階層

ブレシア®では、からだの状態を4つの軸から捉えます。痛みと注意の循環も、どれか一つの軸だけで起きているわけではなく、複数の軸が重なり合って続いていると考えています。

軸 循環の中で起きていること 循環を抜けたときの変化
軸①(脳幹・脳神経)— 目のはたらきと首の連動 目の疲れが首の深い筋肉の緊張につながり、首から背中へ張りが広がる 目と首の連動が整い、画面を見たあとの張りが残りにくくなる
軸②(小脳・大脳基底核)— 動きの協調と力の入れ方 痛みをかばう動き方が定着し、腕を上げるなどの動作に身構えが生まれる 余計な力みが減り、腕や体を自然に動かしやすくなる
軸③(大脳辺縁系・視床下部)— 自律神経と気分のリズム 不調への警戒が続き、自律神経が緊張側に傾いたままになる 眠りや気持ちに余裕が生まれ、一日の段取りを組み立てやすくなる
軸④(島皮質・内受容感覚)— からだの内側の感じ取り方 重さや張りの信号を受け取り続け、意識が不調へ向きやすくなる からだの信号が穏やかになり、注意を暮らしへ向け直しやすくなる

なぜ “継続” が必要なのか ── 注意の余裕は一度では戻らず、楽に動けた経験の積み重ねで戻る

長く不調が続いていると、からだは「いつ痛むか分からない」という前提で、注意の向け方や動き方を組み立てるようになります。一度の施術で楽になっても、この前提はすぐには書き換わりません。

楽に動けた、気にせず過ごせたという経験を何度も重ねることで、からだは少しずつ「もう見張らなくても大丈夫」と受け取れるようになっていきます。今回の3症例でも、変化は通院を続けるなかで、日々の動きや段取りへと広がっていきました。

3症例から見える共通構造 ── Emapsグループ3ブランドの継続症例

リリーフポート整体院(広島市中区大手町 大手町店)では、夜勤でモニターを見続けるお仕事をされているO様に、目の使い方と首・背中の連動から施術を重ねました。目の疲労感と首・背中の張りで体を動かすのが苦だった状態から、9回の施術で「施術を受けて、凄く楽になりました」とお話しくださっています。詳しくはなぜ目の疲れは “動くこと” まで苦にするのか ── 首と背中の警戒、経過は目の疲れ・首と背中の張りが9回で改善 ── 広島市中区大手町 O様でご紹介しています。

リリーフポートフェミナ鍼灸整体院(福岡市中央区大濠公園 大濠公園店)では、出産をきっかけに首・肩の痛みや腰の重さが続いていたK様に、背骨と筋膜、呼吸のリズムからアプローチしました。首・肩の痛みが落ち着くとともに、寝つきがよくなり、気力も戻ってきて、「毎日段取りよく過ごせるようになりました」とのお言葉をいただいています。詳しくは産後の首・肩の痛みが段取りまで奪う理由 ── 警戒する身体と注意、経過は産後の首・肩の痛みが継続で改善 ── 福岡市中央区大濠公園 K様でご紹介しています。

てあつい整体院(下松市美里町 下松院)では、右腕が上がりにくく、上げたときに痛みがあったT様に、姿勢と、背中・肩甲骨まわりの動きから整えていきました。8回の施術で物を持ったときの痛みが軽くなり、腕が上がりやすくなって、「通院して良かったです」とのお言葉をいただいています。詳しくは肩の痛みで “腕が上がらない” 日が続く理由 ── 身構えがほどけるまで、経過は肩の痛み・腕の上がりにくさが8回で改善 ── 下松市美里町 T様でご紹介しています。

三つの症例に共通するのは、つらい場所だけを追いかけるのではなく、注意を奪っていた不調の背景から整えていったことです。その結果、変化が痛みの軽減だけでなく、動きや段取りにまで広がっていきました。

3症例に共通する回復構造 ── 5ステップ

  1. STEP 1:不調が注意を奪っている場面を伺う
    どんなときに、どの動きでつらさが気になるのかを伺い、暮らしへの影響を把握します。
  2. STEP 2:感覚の入口を確かめる
    目の動き、首のバランス、呼吸の広がりなど、からだの状態を脳に伝える入口を順に確かめます。
  3. STEP 3:神経への入力を整える
    感覚の入力を整え、脳に届く警戒の信号を落ち着かせていきます。
  4. STEP 4:筋膜・関節の動きを整える
    神経の緊張がゆるんだところで、背中・胸郭・肩甲骨まわりの深い筋膜にアプローチします。
  5. STEP 5:楽に動ける経験を重ねる
    気にしなくても動ける感覚をくり返し経験していただき、注意を暮らしの中へ向け直せる状態を目指します。

Emapsグループ × brascia® 臨床体系

Emaps株式会社が開発したブレシア®は、グループの3ブランドで採用されています。それぞれのブランドが異なる領域を担いながら、同じ臨床モデルで状態を捉えています。

ブランド 領域 今回の症例
リリーフポート整体院 首こり・肩こり・頭痛・眼精疲労 目の疲労感と首・背中の張りで体を動かすのが苦だったO様
リリーフポートフェミナ鍼灸整体院 女性の肩こり・頭痛・更年期・PMS 出産をきっかけに首・肩の痛みが続き、毎日段取りよく過ごせるようになったK様
てあつい整体院 腰痛・肩こり・膝の痛み 右腕が上がりにくく、上げたときに痛みがあったT様

これまでの積み重ね ── 身体の理論から “注意の回復” へ

Emapsのハブ記事では、回を重ねるごとに、施術を続けた方に起きる変化を少しずつ広い範囲から捉えてきました。

起点論文 説明対象
Moseley 2007「現代疼痛科学による痛みの再概念化」 主訴の外側で起きる回復
Vlaeyen & Linton 2000「恐怖回避モデル」 痛みと生活範囲の回復
Finan, Goodin & Smith 2013「睡眠と痛みの関連」 痛みと休息の回復
Eccleston & Crombez 1999「痛みの注意中断モデル」 痛みと注意の回復(本記事)

生活範囲、休息に続いて、今回は「注意」に目を向けました。不調が和らぐことは、からだが楽になるだけでなく、毎日の暮らしに向けられる余裕を取り戻すことでもあると考えています。

まとめ

痛みや張りは、ひとつひとつは強くなくても、一日中くり返し注意を引きつけます。その積み重ねが、体を動かすことへのおっくうさや、段取りのしにくさにつながっていきます。ブレシア®では、つらい場所だけでなく、注意を奪っていた不調の背景を神経のはたらきから確かめ、筋膜や関節へと順に整えていきます。楽に動けた経験を重ねることで、注意を暮らしへ向け直せる状態を目指しています。

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※ 症状によっては医療機関の受診が優先となる場合があります。

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